Last update:2019/03/09

北埼玉吸入療法連携会について

北埼玉吸入療法連携会は熊谷市、東松山市を中心とした吸入療法の病・診・薬連携を考える会です
会長挨拶会則FAQ過去の勉強会沿革
   

会長挨拶

   
 吸入療法は、気管支喘息・COPD患者さんの治療の成否を握る、重要な治療法です。しかし、吸入療法には、飲み薬の内服とは異なり処方時に解決すべき大きな問題があります。それは、吸入薬はそのままでは吸えない、吸入薬が含有される装置:デバイスを使いこなさなければならない、ということです。

 デバイスは時代と共に進歩し、かなり簡便になりました。しかし、いくらデバイスが進歩しようとも、説明・指導なしに患者さんが簡単・確実に使いこなせるデバイスは、残念ながらありません。これは、デバイスが「道具」であるがゆえに有する宿命です。「道具」は、その種類や機能を問わず、いつの時代にも使い方の修練が必要です。また、デバイスには、患者さんとの相性という問題もあります。いくら使いこなせても、相性が悪く嫌だと思われると使われなくなってしまいます。

  吸入療法を成功させるポイントは、@患者さんにデバイスを適切に操作してもらう A相性の良いデバイスで無理なく長く使用してもらう の2点です。我々は、この吸入療法を成功させるポイント2点を確実に、しかし簡便に成し遂げる方法について試行錯誤してきました。日本を含めた世界の吸入療法に関連する先達者のデータ・事例を研究しました結果、@誰でも簡単・確実にデバイス操作法を指導できるマニュアル A患者さんとデバイスの相性を確認し処方調整するための病薬連携ツール それぞれを作成し、北埼玉吸入療法連携会という組織を作って地域ぐるみで取り組み運営するに至りました。このデータをまとめ論文化もさせていただきましたが(Respir Med. 2017;123:110-115)、このマニュアル・病薬連携ツールには確かな手応えをつかんでいます。

 当会当地域での取り組みを皆様に知っていただくと共に、是非ご活用いただければ。その思いで、ホームページを作成し、関連資材を無償で公開させていただいたおります。積極的にご活用いただき、各地域での吸入療法の水準向上に資することができましたら、この上ない喜びです。また、可能でしたら、関係諸氏の皆様と協働し、実際の臨床現場における吸入療法のさらなる理想像を模索していきたいと考えております。是非、お声がけご連絡もいただけますと大変嬉しく存じます。今後とも、北埼玉吸入療法連携会を、よろしくお願い申し上げます。
2018年幹事会にて
  

会則

   
会則(平成30年11月1日施行版)
   
 

FAQ

Q.北埼玉吸入療法連携会に参加するにはどうしたらいいですか?
A.地域により異なりますが、理想的には独立した連携会を立ち上げていただき、埼玉吸入療法サポートネットワークとして協働させていただきたいと考えています。
(解説)
 熊谷・東松山市外の医療機関に勤務する方であっても当サイトで公開している資材の利用は自由ですし、研修参加及びマイスター取得も可能ですので個人や単店舗での加入表明は必要ありません。
 ただし、制度の設計上、研修参加回数が重視されますので、遠隔の方の継続参加は大変かと思います。また、所属薬局周辺に吸入指導依頼箋を出す病院がないと、マイスターをとっても患者が訪れるメリットが得にくいと思います。
 埼玉吸入療法サポートネットワーク自体まだ始まったばかりの取り組みで手探りの部分はありますが、徐々にネットワークを広げていきたいと考えておりますので、ご自身の地域で協力いただける病院、薬剤師会にお声かけていただき連携会を立ち上げてみるのはいかがでしょうか。
 お声かけいただければ立ち上げ時のお手伝いはさせていただきますが、将来的には独立した団体として埼玉吸入療法サポートネットワークの枠組みの中で共働させていただきたいと考えています。
 なお、熊谷隣接市町(平日夜の研修参加が可能なエリア)については北埼玉吸入療法連携会に加わっていただいての協働も検討させていただきたいと思います。

   

過去の勉強会

 
日時 内容
2019/03/06
(第10回)
「患者さんに教えたい、喘息における抗体製剤治療 」
「吸入薬継続使用時のエラー調査 」
ロールプレイ研修(書いてみよう、吸入指導報告書(4):ブリーズヘラー)    
2018/11/06
(第9回)
「吸入指導における喘息・COPDガイドライン改訂のポイント」
「トリプルセラピー時代の吸入指導について」
ロールプレイ研修(書いてみよう、吸入指導報告書(3):2デバイス併用)    
2018/03/06
(第8回)
「知っておきたい 最近の喫煙事情」
「呼吸器内科病棟業務を通しての学び」
ロールプレイ研修(書いてみよう、吸入指導報告書(2):レスピマット)    
2017/11/01
(第7回)
「酸素療法について」
「高齢者の吸入指導について」
ピットフォール標準化実習(エリプタ)
ロールプレイ研修(書いてみよう、吸入指導報告書(1):タービュヘイラー)    
2017/03/05
(第6回)
「成人喘息診療におけるアレルゲン免疫療法」
「吸入指導マイスター薬剤師・看護師制度導入にあたって」
「スペーサーの保険提供(喘息治療管理料2)について
ピットフォール標準化実習(フルティフォーム+スペーサー)
ロールプレイ研修(エリプタ)    
2016/10/19
(第5回)
「やって、やらせて、適性がわかる」
ピットフォール標準化実習(レスピマット)
ロールプレイ研修(フルティフォーム+スペーサー)    
2016/03/09
(第4回)
「COPDに関連する肺機能検査について」
ピットフォール標準化実習(ブリーズヘラー)
ロールプレイ研修(レスピマット)    
2015/10/28
(第3回)
「COPD患者の呼吸リハビリテーションについて」
ピットフォール標準化実習(タービュヘイラー)
ロールプレイ研修(ブリーズヘラー)    
2015/02/24
(第2回)
「COPD患者の栄養指導について」
ロールプレイ研修(タービュヘイラー/フルティフォーム)    
2014/03/05
(第1回)
「吸入指導のための基礎知識」
「循環器・呼吸器病センターにおける吸入指導について」
ロールプレイ研修(ディスカス/タービュヘイラー/レスピマット/ブリーズヘラー)    

   

沿革

 
日時 内容
2018/11/01 東松山医師会、東松山薬剤師会の協働を得ることになり、
熊谷吸入療法連携会から北埼玉吸入療法連携会に改称   
2018/11/11 第24回埼玉県薬剤師会学術大会にて発表
「吸入薬継続使用時のエラー調査 」
熊谷市薬剤師会 会営薬局江南店 星知子 他
2018/4/1 平成30年度埼玉吸入療法初級マイスター認定。初回認定は5名、更新20名   
2018/04/01 熊谷地区吸入療法連携会を熊谷吸入療法連携会に改称   
2017/08/26 日本病院薬剤師会第47回関東ブロック大会にて発表
「埼玉吸入指導マイスター制度の導入について
〜熊谷地区吸入療法連携会の取り組み(第二報)〜」
循環器・呼吸器病センター薬剤部 蜩c絢子 他
2017/04/01 埼玉吸入療法(みなし)初級マイスター発足。初回認定は23名。
マイスターリストの公開を開始   
2017/02/28 埼玉喘息・COPD研究会と協力して埼玉吸入療法ネットワークを発足。
埼玉吸入指導マイスター制度を導入   
2016/12月 高久医師が連携会活動によって得たデータからrespiratory medicine誌に論文を投稿。acceptされる
How many instructions are required to correct inhalation errors in patients with asthma and chronic obstructive pulmonary disease?
(respiratory medicine,February 2017Volume 123, Pages 110-115)

(PubMedが開きます)   
2014/08/30 日本病院薬剤師会第44回関東ブロック大会にて発表
「外来患者の吸入指導における薬薬連携
〜熊谷地区吸入療法連携会の取り組み〜」
循環器・呼吸器病センター薬剤部 坂口翔一 他
2014/03/05 第1回熊谷地区吸入療法連携会勉強会開催。
循環器・呼吸器病センターと熊谷薬剤師会において吸入療法依頼書・報告書を介した薬薬連携が始まる